老眼は誰にでも訪れる老化現象です。
今回は、老眼になるのを遅らせる秘訣と、症状が現れてからの対策を紹介します。
目次
老眼とは?
人が老いを感じるのは「以前は普通にできていた事が難しくなるなど」機能的な衰えを感じる時です。
特に近くが見づらくなる老眼は、衰えを自覚するきっかけになる症状ではないでしょうか?
老眼とは、年齢とともに目の調節力が弱くなり、近くの物にピントを合わせづらくなった状態を言います。
老眼の症状は
・近くが見えづらい
・距離を離すと文字が見える
・すぐに目が疲れるので長時間文字を読むのが辛い
・近視用のメガネをかけていると疲れる
・少し暗くなると本が読みづらい
・近くから遠くへ、遠くから近くへのピントが合わせづらい
などが挙げられます。
これは水晶体という組織の弾力が低下したことにより起こります。
水晶体は、カメラのレンズのような働きをしています。
近くを見る時の目の調節は、この水晶体が膨らんで一点にピントを合わせます。
しかし年齢を重ねると、水晶体を膨らませることができなくなり、近くのピントが合いづらくなってしまいます。
老眼になりやすい人
老眼になりやすい人と、なりにくい人の差は「焦げたものを食べた量の違い」とも言われています。
焦げたものを食べた量をAGEと言います。
AGEは皮膚のシワやたるみの原因になるなど、老化に深く関わっています。
AGEは老化全般に関わっているため、老化の症状が目に出ている
「目の老化」=「老眼」
ということになります。
このAGEが多くなる原因は、「温度」と「油」です。
高温になると、タンパク質と糖分が結合しやすく「糖化」という化学変化が起こり、AGEが形成されてしまいます。
また調理時間が長い料理も熱でAGEが形成されやすくなります。
近視の人は老眼にならないはホント?
残念ながら近視だから老眼にならないということはありません。
水晶体の老化は、すべての人に同じように起こるため、近視のあるなしに関わらず訪れる老化現象です。
老眼の症状は40歳ごろから現れ出してきます。
ただ、生活習慣の違いにより、老眼を自覚しやすい場合と自覚しにくい場合があります。
老眼を放置すると?
老眼の症状を感じていても、老眼鏡をかけることに抵抗がある方は少なからずいらっしゃると思います。
しかし、老眼鏡を使わないで我慢していると、眼精疲労から、頭痛、肩こり、食欲不振、疲労が取れないなどいろいろな症状が出てくる可能性があります。
今は老眼用のコンタクトも販売されています。
老眼を軽く考えず、老眼鏡やコンタクトで視力の矯正をしたり、目のストレッチや十分な休息を取り、目をいたわるようにしましょう。
老眼鏡の選び方
ひとくちに老眼鏡と言っても、用途や度数などいろいろなタイプのものがあります。
老眼を作る時は、仕事の内容や生活スタイルを細かく説明し、どんな用途で使いたいか?などをしっかり伝え、自分にぴったりの老眼鏡を作ってもらいましょう。
遠近両用メガネとは?
遠近両用メガネとは、メガネのレンズの上の部分に遠くを見る度数のレンズ、下の部分には近くを見るレンズの度数が入っています。
このメガネの特徴は、視線を上下に動かすことで、遠くの物も近くの物も一つのメガネで見ることができる便利なメガネです。
遠近両用コンタクトレンズとは?
今までメガネを使わずコンタクトレンズで生活してきた方は、急にメガネをかけることに抵抗がある方も多いのではないでしょうか。
でも安心してください。最近はそのような方のために、遠近両用のコンタクタレンズも処方されています。
遠近両用コンタクタレンズの特徴は、1枚のコンタクタレンズに遠くを見る部分と近くを見る部分が複雑に組み込まれています。
とても便利ですが、欠点としては、慣れるのに時間がかかったり使いこなせなかったりする場合もあります。
使用を考える場合は、十分に試してから購入するようにしましょう。
遠近両用メガネと遠近両用コンタクトレンズの違い
遠近両用コンタクトレンズが、遠近両用メガネと大きく違う部分は、目線を切り替える必要がないということです。
遠近両用コンタクトレンズは脳の仕組みを利用して、見たい物にピントを合わせます。そのため、メガネのように上下に目線を切り替えなくて良いのです。
老眼の予防と改善トレーニング
年齢を重ねると、水晶体や目の筋肉の衰えにより老眼の症状が出てきます。
完全に止めることは難しいようですが、トレーニングすることで老眼の進行を遅らせることは可能とされています。
目元の血流を良くする方法
(1)目をぎゅっと閉じた後に、ぱっと見開く(これを5回くらい繰り返す)
(2)思いっきり上下左右をしっかり見て、眼球を大きく回す。
調節訓練
(1)人差し指にしっかりピントを合わせて、3秒数えます。
(2)次に、2〜3メートル先の対象物にピントを合わせできるだけ遠くのものにピントを合わせ3秒数えます。(目、指、遠くの目標は一直線上になるようにします)
(3)これを交互に10回繰り返します。
*これでワンセットです。このセットを一日3〜4回繰り返すと効果的です。
その他気をつけること
AGEの量を減らす
前述したように、「糖化」とは体内の糖がタンパク質と結びついてAGEという老化物質に変化することです。
アーモンドには糖化を抑える働きがあると言われています。
AGEを減らす食べ物として、アーモンドが効果的と言われています。
食べる量目安は、慶應義塾大学の井上浩義教授の研究によると、一日25g25粒程度(一日に片手に軽く一杯を)毎食後に分けて食べると良いそうです。
スマホでの目の酷使に注意する
スマホを見るときは近くにピントを合わせるため、毛様体筋の調節を行っています。
目を酷使すると、この毛様体筋に負担がかかってしまいます。
また、スマホは強い光を放っているため、目の光の量を抑える光彩筋にも負担がかかると言われています。
スマホを使う時は適切な距離を取り、定期的に目を閉じたり遠くを見たりして、眼精疲労を防ぎましょう。
老眼に効果的な目薬
少子高齢化が進み続ける現在では、目薬業界も目の老化に着目した目薬を開発しています。
老眼に効果的な目薬は、目のピント調節機能に関係のある毛様体筋に働きかける
- ネオスチグミンメチル硫酸鉛
- 活性化ビタミンB2
- ビタミンB12
が含まれている目薬は、老眼の進行を遅らせたり、目の組織の新陳代謝をアップするのに有効とされています。
またパソコンを長時間使用する人は、調節機能改善だけでなく、目を保護するコンドロイチン硫酸ナトリウムが含まれている目薬を選ぶと良いでしょう。
目に良いサプリメント
ご存知の方も多いと思いますが、カシス、ブルーベリー、ルティンは目に良い食品と言われています。
日頃から手軽にサプリメントで摂るのも効果的と言われています。
まとめ
老眼は、症状に差はあるにしても、残念ながら誰にでも訪れる老化現象です。
まして現代社会は、スマホやパソコンはなくてはならない存在です。
多くの人が、目を酷使せざるを得ない毎日を送っています。
しかしそのような中でも、日頃から目をいたわり、いずれ多少なりとも症状が出てくるであろう老眼に備えて、予防をしていくことで、症状を遅らせることは可能です。
また、日頃から意識していると、症状が現れてきた時に慌てずに対処することもできます。
そして症状が出た時の、精神的なショックも和らげることができます。
普段から目をないがしろにせず、忙しい中にも意識的に目を休ませることが老眼を予防する第一歩ではないでしょうか。