何とかしたいツライ偏頭痛、他の頭痛と何が違うのでしょう?
予防は出来るのでしょうか?
偏頭痛が起きてしまった時の対処法も共にご紹介します。
目次
偏頭痛とは
偏頭痛とは、頭の片方から目の奥のあたりまで、拍動性(脈拍に合わせてズキンズキンと痛む)頭痛の事です。
頭痛が始まる前に何らかの誘引によって生あくびや肩や首のこりが出る予兆が始まり、前兆期は閃輝暗転(星のようなものがチカチカする)が出現し、視野がせまくなります。
予兆期や前兆期を経て、頭痛期、回復期、寛解期という経過をたどります。
中には、予兆がなく、前兆の後に急に頭痛になる事もあります。ピーク時には、動くこともできない程つらく、日常生活に大きな影響を与え、さらに吐き気や嘔吐をともなうこともあります。
痛みの持続時間は個人差がありますが、多くの場合4〜72時間続きます。
他の頭痛との区別
頭痛には大きく分けて
- 「緊張型頭痛」
- 「偏頭痛」
- 「群発性頭痛」
の3つの種類があります。
緊張型頭痛
<特徴>
頭をギューッと締め付けられるような圧迫される痛み
後頭部の両側が痛くなる
首や肩こり、目の痛みがある
<原因>
筋肉の緊張から起こる
<対処法>
温めると良い
偏頭痛
<特徴>
脈とともにズキンズキンと痛む
頭の片側が痛む
閃輝暗転(星がチカチカ見える)
視野が欠ける
生あくびがでる
肩や首のこりがある
<原因>
血管が拡張することで発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こると言われている
<対処法>
冷やして安静にすると楽になる
群発性頭痛
<特徴>
ある一定の期間、毎日同じ時間に強烈な痛みがくる
慢性頭痛の中では最も強い痛み
目の奥がえぐられるような痛み
頭の片側、特に目の奥が痛む
1〜2時間持続する
直前に目の充血やかすみ、涙目などの自律神経症状を伴う
男性に多い
<原因>
原因は解明されていないが、血管拡張によるものと言われている
<対処法>
アルコールを避ける
偏頭痛のメカニズム
血管の拡張により炎症が起こることで、神経が刺激を受けて痛みが発生するのが偏頭痛と言われています。
その発生のメカニズムには、いくつかのの説があります。
血管説
一旦収縮した血管が拡張することにより頭痛が起こるという説です。
血小板からセロトニン(血管を収縮する作用をもつ)が放出され、脳の血管が収縮されます。
その後セロトニンが分解されると収縮された血管が拡張されることで頭痛が起きると考えられています。
三叉神経説
三叉神経が関係しているという説です。
三叉神経が何らかの原因で刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる様々な神経伝達物質が分泌されます。
その刺激によって発生した炎症が神経を刺激して痛みを発生させるという考えです。
女性の偏頭痛
女性に多いと言われている偏頭痛。特に症状が多いのは30代〜40代で、生理前後などホルモンのバランスの影響もあると言われています。
また、外的環境や食べ物が引き金になることもあります。
ライフスタイルとして30代〜40代は仕事や家庭で、重要な役割を担うことも多く、精神的に続いていた緊張状態が解かれ、緊張がほぐれた時などでも偏頭痛が起こる要因となることもあります。
偏頭痛の予防
- 寝過ぎや寝不足など生活のリズムを崩さないようにする
- お酒の飲み過ぎに注意する
- チーズ、チョコレート、ワインで起こる場合があるので、それらが原因になっていないか、または他の食べ物はどうかよく覚えておく
- 疲労やストレスを貯めない
- マグネシウムを摂る
寝過ぎ、寝不足
寝過ぎや寝不足は自律神経の乱れ、血管の収縮や拡張のリズムが狂ってしまいます。
規則正しい生活で、自律神経の働きを整えるようにしましょう。
お酒の飲み過ぎ
お酒の飲み過ぎは血管を拡張し、頭痛を誘発するきっかけになります。
自分の適度な量を覚えておき、飲みすぎないよう気をつけましょう。
チーズ、チョコレート、ワイン
ポリフェノールを含んでいる食品は偏頭痛を引き起こしやすいと言われています。
また、チーズ、チョコレート、ワインは大丈夫でも、他の食品で偏頭痛を引き起こす人もいます。
何を食べた時に痛みが起きたか、何らかのパターンがあれば、普段から観察することが、予防につながります。
疲労を貯めない
疲労により自律神経のバランスが崩れると、痛みを誘発しやすくなります。
また、日常のプレッシャーやストレスから精神的に緊張状態が続いた後、急に心が解放された時も痛みの引き金になります。
普段から、緊張を解放できる事を見つけ、気持ちを一定に保てるように工夫しましょう。
マグネシウムを摂る
偏頭痛がある人は、マグネシウムが不足している傾向があると言われています。
マグネシウムが不足する事でミトコンドリアの働きが悪くなり、体内で炎症を起こしやすくなります。
それが偏頭痛につながってしまうとも言われています。
マグネシウムは緑黄色野菜やアーモンドに含まれています。
また、サプリメントでも摂れますが、なかなか体内に吸収させるのは難しい物質です。
他の方法として、最近では海外セレブから流行したエプソムソルト(硫酸マグネシウム)をお風呂に入れて、経皮吸収させる方法もあります。
偏頭痛の対処法
しっかり予防していても、予期せず偏頭痛になってしまうこともあります。
そんな時はできるだけ早く対処できるようにしておきましょう。
- 暗く静かな所で安静にする
- 患部を冷やす
- 頭にハチマキを巻く
- コーヒーを飲む
- ペパーミント、オレガノなどのハーブティーを飲む
- 偏頭痛に効果的な薬を服用する
安静にする
体を動かすと悪化することが多いので、暗くて静かな場所で安静にしましょう。
患部を冷やす
冷たいタオルや冷却シートで患部を冷やしましょう。
緊張型頭痛は温めることで痛みが緩和しますが、偏頭痛は逆に悪化してしまいます。お風呂なども逆効果なので注意しましょう。
ハチマキを巻く
ハチマキをきつく巻いて頭部の血管を圧迫することで血液の流れを抑えることで痛みを和らげます。
コーヒーを飲む
カフェインには血管を収縮する作用があるのでコーヒーは頭痛を軽減してくれる効果が期待できます。
偏頭痛の症状が出始めたら、まだ痛みの軽いうちにコーヒーを飲むと効果的です。
しかし、飲み過ぎるとかえって頭痛を悪化させることもあるので、多くてもマグカップ3杯くらいまでにとどめておきましょう。
ハーブティー
偏頭痛にはハーブも有効と言われています。最も代表的なハーブはペパーミントです。その他、フィーバーフュー(夏白菊)やオレガノにも自律神経を整える効果や、炎症を抑える効果があると言われてます。
偏頭痛の薬
市販の痛み止めは、残念ながら偏頭痛の痛みを和らげる効果はありません。
病院では血管拡張を抑える薬を処方してもらえます。代表的なものは、トリプタン系製剤で「イミグラン」「マクサルト」などがあります。
トリプタン系製剤が使えない場合は、偏頭痛の治療薬として古くから使われてきたエルゴダミン製剤が使われます。
いずれにせよ専門の頭痛外来で、診断をしてもらったうえで処方してもらうのが安心です。
偏頭痛の薬の服用は、飲むタイミングが非常に重要です。飲むと決めたら、痛みがで始めた時にすぐ飲むようにしましょう。
タイミングがずれてしまうと薬の効果が出なくなってしまう可能性があります。
偏頭痛の予防目的で鎮痛剤を服用する場合は、薬物乱用頭痛を招いてしまうリスクを頭におき、長期間の服用は避けるようにしましょう。
まとめ
偏頭痛には様々な原因あります。
天候に始まり、生活環境、遺伝、ホルモンのバランスなど、自分ではコントロールが不可能なものも多くあります。
それゆえ発症してしまった時の対処法を事前に用意しておくと安心です。
そして日常では、アルコールや食べ物の摂取の仕方に気をつける事、また眩しい光を避け、規則正しい睡眠とストレスコントロールをするなど、引き金になりやすい要因を避けることで、発祥の頻度や症状の強度を緩和することが期待できます。
仕事や家事で重要な役割を担っている時は、どうしても休めない場合もあるでしょう。
その時は、我慢せず、偏頭痛薬を服用することで、日常生活を支障なく送れるのではないでしょうか。
そのためにも専門の頭痛外来を受診して、診断と処方をしてもらう事をおすすめします。