ビタミンCは体内の様々なところでマルチに活躍し、日々消費されていきます。
一日の必要量は100mgとされていますが、実際にはその人のライフスタイルによって大きく消費量が異なる為、ほとんど人が不足しているというのが事実です。
健康や美容にも大きく関わるので、ビタミンCをよく知り、生活の中で活かしていきましょう。
目次
ビタミンCの働き
体に必要不可欠な栄養素、ビタミンC。具体的には一体どのような働きがあるのでしょうか。
・免疫力のサポート
ビタミンCにはウィルスの侵入を守る粘膜を作る役割やウィルスと対抗する免疫物質であるインターフェロンを作る上でも欠かせない栄養素です。
また、腸内の免疫システムの異常によって起こるアレルギーを腸内環境を整えて緩和させる働きもあります。
・抗酸化作用
ビタミンCの一番の働きは抗酸化作用です。
抗酸化作用とは細胞を傷つける活性酸素を体に害のないようにする作用です。
人間は呼吸をするだけで、取り込んだ酸素の一部が活性酸素となり、活性酸素の多くは使われずに余ってしまい細胞に傷をつけます。
これが老化現象です。
また、活性酸素は、喫煙・ストレス・過度な飲酒・激しい運動などによってより多く体内に発生してしまいます。
特に良くないのが喫煙とストレスであり、タバコは1本吸うごとに25mgのビタミンCを、ストレスが多い人は通常消費量の3~8倍のスピードでビタミンCが失われます。
・ホルモンの分泌や消費を助ける働き
ビタミンCには多くの働きがあり、ストレスを軽減するホルモンの分泌を促し使用後のホルモンの分解をするという働きもあります。
一般的にストレスというと耐えがたい精神的な苦痛の事を指す事が多いですが、このホルモンは、少しつまずいてハッとしたり、大きな音がしてびっくりしたりしただけでも分泌されます。
・体の組織を作る働き
体内の主組織であるコラーゲンはタンパク質と鉄分の繊維でできた網の網目をビタミンCが結ぶような形で作られます。
コラーゲンは肌のハリを作るだけではなく、血管や内蔵を丈夫に保つ役割もあります。
また、このコラーゲンは骨を作る主材料でもあり、骨は主にカルシウムでできていると思われがちですが、本当はこのコラーゲンが主であり、カルシウムはそれをより丈夫にする役割として使われています。
・他の栄養素を助ける働き
ビタミンCには他のビタミンやミネラルとの相乗効果もあり、特に大きく関わっているのがビタミンEと鉄分です。
ビタミンEはビタミンCと同じく抗酸化作用を持つビタミンですが、それぞれ役割を果たす場所が違い、ビタミンEは体内の脂質が錆びないように働きます。
ビタミンEは活性酸素を吸収できますが分解できないので、吸収した活性酸素をビタミンCに渡して、ビタミンCが活性酸素を分解します。
また、鉄分の吸収にも大きく関わっています。
鉄分には体が吸収しやすいヘム鉄と吸収しづらい非ヘム鉄があり、ビタミンCは吸収されづらい非ヘム鉄を、吸収しやすいヘム鉄に変える働きがあります。
ビタミンCが不足するとどうなる?
これだけ体中で使われているビタミンCですが、ビタミンA・C・Eと言われる体内で作れないビタミンの一種でもあります。ビタミンCが不足するとどうなるのでしょうか?
・肌や口内の不調
ビタミンCが不足するとコラーゲンの中に水分を蓄えられなくなり、肌や爪や髪が乾燥します。血管や内蔵ももろくなる為、怪我の治りが遅い、あざができやすいなどの症状がでます。
また体内の水分が重力に負けて下半身がむくみやすくなるという症状も出ます。
歯茎には腫れや出血が起こります。
ひどくなると歯茎が歯を支えられなくなり、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
・筋肉や骨の異常
筋肉痛は筋肉繊維が千切れる事で起こります。
ビタミンCが不足すると筋肉が再生出来ないため筋肉痛が長引きます。
骨の場合は体の芯であるだけではなく、栄養貯蔵庫の役割も果たしている為他の箇所で栄養が不足すると骨から栄養が抜き取られていきます。
もちろんこの過程で骨ももろくなるので、骨折しやすくなったり、骨折してもなかなか治らなかったりするという症状が出ます。
また骨は加齢とともに作られるスピードよりも壊れていくスピードの方が早くなるので、加齢すればするほど骨にも深刻な影響が出ます。
・壊血病
壊血病は皮膚や肌の不調が重症化したもので、体内のいたる所で血管がやぶれて出血したり骨折しやすくなったりする病気です。
・精神疾患
ビタミンCはホルモンの分泌に大きく関わっているため、気持ちや睡眠のコントロールができなくなります。
また慢性的に疲労感や倦怠感がある状態が続き、重症化するとうつ病になる人もいます。
効率的に摂取するには?
常に体の中で使われているビタミンC。でも実は効率的に摂るのが難しい栄養素なのはご存知ですか?
せっかく摂るなら出来るだけ吸収されるようにビタミンCの性質をよく知りましょう
摂るタイミング
ビタミンCは水溶性ビタミンに分類され水に溶けやすいという性質を持っており、一度に大量にとっても2~3時間で使われなかったビタミンCは尿に溶けて体の外に出てしまいます。
水に溶けやすいからといって、水分を控えるのは逆に体によくありません。
ビタミンCは消耗品だと認識して、2〜3時間毎に一日の必要量を小分けにして摂取するのがベストです。
食べ物から摂るには?
ビタミンCは熱に弱いため加熱するとその過程でほとんどが壊れてしまいます。
食べ物から上手に摂取するのであれば、食後に新鮮なフルーツをとったりビタミンCを多く含む野菜をサラダでいただいたり、生で食べられる野菜や果物を摂るのがいいでしょう。
余分に消耗してしまったら?
ビタミンCの消費量は毎日一定ではなく、状況や行動によって変わってきます。
- お菓子を食べる→ 糖の消費に使われてしまいます。
- 喫煙、飲酒→ 活性酸素の分解に使われてしまいます。
- ストレス→ ホルモンの分泌、分解に使われてしまいます。
- 風邪や病気→ 抗体を作るのに大量に使われます。
上記の様な事があると普段より多く消耗されてしまいます。
このような場合はいつもより多めに取ることを心がけて不足しないようにしましょう。
まとめ
不足すると命にも関わるビタミンCですが、満ち足りていると腸内環境を整えて善玉菌を増やしてくれるという働きもあり、善玉菌が増えると体内でビタミンB郡も作り出してくれて、美容、健康ともに良いこと尽くしです。
ビタミンCは不足することはあっても、摂り過ぎという事は絶対になく、あればあるほど体に良いビタミンだということです。
意識して上手に摂り、充実した生活を送りましょう。