飽食の時代と言われている現代ですが、潜在的なビタミンB1不足に陥る人が増えているといいます。
ビタミンB1が不足すると脳がエネルギー不足になり、気持ちにも体にも不調が現れてしまいます。
不足してしまう原因とその解消方法をご紹介します。
目次
ビタミンB1の働き
ビタミンB1には糖をエネルギーに変えるという働きがあります。
糖は運動による消費もされますが、特に糖のエネルギーを必要とするのは脳神経系です。
頭を使う仕事や、激しい運動をするという方は、より多くのビタミンB1が必要です。
不足するとどうなる?
ビタミンB1が不足すると、脳がエネルギー不足になります。具体的には、気分が落ち込みやすくなったり、イライラしたり、集中力が下がったりします。
また、肉体労働が多い、激しい運動をするという方は、疲れやすくなる、疲労が回復しづらくなるといった症状が出ます。
さらに深刻化すると、慢性のうつ病や、脚気という病気になってしまいます。
脚気とは
ビタミン欠乏症の一つで、戦後に国民病といわれた病気です。
体の隅々に行き渡る末梢神経が不全を起こし、下半身にむくみや痺れが出てきます。
症状が進行すると歩行困難になる場合もあります。
不足する原因は?
現代人にビタミンB1不足が増えているのは、下記の2点が大きな原因と言えます。
精製された米や小麦粉を食べるようになった
ビタミンB1は、精製されていない米のぬかの部分や小麦の胚芽の部分に多く含まれています。
ダイエットで炭水化物を抜いている、コンビニの食事が中心、お米を全く食べない日があるという方は要注意です。
肉を食べない
ビタミンB1は肉類にも多く含まれています。ダイエットをしているからと、野菜しか食べないという女性の方も多いですが、毎日摂らなくてはならない栄養素の中には野菜だけでは補いきれないものもあります。
肉類の方が多く含まれているビタミンやミネラルやアミノ酸もあるからです。
また、ビタミンB1は糖の代謝を促すので、ダイエットしているのであれば逆に意識して摂ったほうが良い栄養素です。
「野菜中心」は体に良いですが、「野菜のみ」というのは考え物です。バランスを考えた食事を心がけましょう。
効率良く摂るには?
ビタミンB1は水に溶けやすい水溶性のビタミンなので、体内にためておくことができません。
したがって、毎日摂取する必要があります。
水溶性ビタミンには摂りすぎの心配もないので、どんどん積極的に摂っていきましょう。
いくつかお勧めの摂り方をご紹介します。
ビタミンB1を多く含む食品を沢山とる
成人のビタミンB1の推奨量は以下のとおりです。
活動的な方は、消費量も多いので、より多く摂ることをお勧めします。
- 男性 1.4mg
- 女性 1.1mg
下記の食品にはビタミンB1が豊富に含まれています。
普段の食事に取り入れることで不足を防いでいきましょう。
豚肉(ヒレ)
赤身の部分に多く含まれています。ほとんどが赤身であるヒレ肉であれば脂身も少ないので脂肪分の摂りすぎも心配ないでしょう。アミノ酸もバランスよく摂れるので、体力もつきます。
うなぎ
ビタミンB1の他に、ビタミンB2・A・E・D、ミネラル類、DHAなども豊富に含まれている栄養価の高い食品です。
ただし、うなぎは1食分でビタミンAの上限量を上回るので、たまに食べる程度にしましょう。
妊娠している方は特に気をつける必要があります。
たらこ・すじこ
栄養価も高いですが、コレステロールが高いため、1日30gくらいを目安にしましょう。
味付けされているものは塩分も高いです。減塩されたものを選ぶなどすると、なお良いでしょう。
大豆
ホルモンバランスを整えてくれるイソフラボンというポリフェノールも含んでいる女性にうれしい食材です。豆腐、納豆などで手軽にとれるのも嬉しいです。
大豆は野菜の中で最もアミノ酸バランスが良いため、「畑の肉」とも言われます。
肉が苦手という方は、大豆製品でとるのがおススメです。
とうもろこし
ビタミンB1を含むB郡を豊富に含んでいます。
抗酸化ビタミンであるビタミンEやミネラルもバランスよく含まれている栄養価の高い野菜です。
糖分が高いので、糖尿の気味の方は食べ過ぎに気をつけましょう。
玄米・胚芽を含む小麦・大麦
穀類は精製されるとビタミンB1が約20~50%減ってしまいます。
ご飯ならば、玄米や雑穀米を混ぜたり、パンであれば、ライ麦や小麦胚芽など精製されていない小麦類が使われた真っ白ではないパンを食べたりすると良いでしょう。
ミネラル類も豊富です。
調理は電子レンジで!
ビタミンB1は熱に弱く、加熱する時間が長いほど、壊れてしまう事が分かっています。
加熱しなくては食べられない食品が多いのが事実です。
ビタミンB1をできるだけ壊さないための加熱方法についての研究で、電子レンジを使うのが一番良いという事が分かっています。
電子レンジでの調理方法
※600wの家庭用電子レンジの場合の調理方法です。
- ぬるま湯で野菜を洗う。(水は切らない)
- 切り分けるなどして、均等な大きさにする。
- ラップで巻くかポリ袋に密封する。
- 密封したままだと爆発するので、爪楊枝などで数箇所ほど穴を開ける。
- 様子を見ながら1~2分加熱する。(取り出す際のやけどに注意)
- 袋から出さずに、冷たい水を軽く含ませたふきんを上にかけて冷ます。
こうすることで、ゆでるよりも短時間で加熱でき、水溶性の栄養分の現象を最小限に抑えることができます。
うまみ成分も残るので、おいしく頂くことができます。ぜひ試してみて下さい。
腸内の乳酸菌を増やそう
腸内環境が良い状態だと、乳酸菌がビタミンB郡やビタミンKを作ってくれます。乳酸菌を増やすには、便秘をしないように心がけることが一番大切です。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を摂り、宿便を体の外に出しましょう。
乳酸菌を増やすには、発酵食品を沢山摂りましょう。徐々に腸内環境が良くなっていきます。適度な運動も効果的です。
腸は「第二の脳」とも言われていて、腸内環境を整えることで免疫力が上がり、様々な病気の予防ができるとも言われています。
もちろん美容にも良いので積極的に取り組んでいきましょう。
乳酸菌のエサとなるビタミンCもしっかりと取りましょう。
ビタミンCを多く含む食品は同サイト内のビタミンCの記事でご紹介しています。
チェック ⇒ ビタミンCの記事はこちら
まとめ
ビタミンB郡はお互いの働きを助け合うチームとして体内で働きます。
どれかが不足すると他のビタミンB郡の働きにも影響をおよぼします。
日本人の食生活やライフスタイルが急激に変化している為、ビタミンB郡の中でもビタミンB1は特に不足しやすいと言われています。
実際に過度なダイエットやインスタント中心の食生活をしている人が、冒頭に書いた脚気という病気になったという事例も報告されています。
バランスを考えて食事をするのが難しいという方はサプリメントで摂るのも一つの方法としておすすめします。
サプリメントでとる場合は合成ではなく自然由来のもので、ビタミンB郡を全て含むものを選ぶのがポイントです。
ビタミンB1は心の健康に非常に深い関わりを持っています。
ストレスを減らせる栄養素と言っても過言ではないでしょう。
ストレスを感じやすいなと思ったら、食事を工夫してみてください。
きっと違いを実感できるかと思います。ストレスフリーになって気持ちよく生活しましょう!